SalesforceのCBU(コマーシャル営業)を徹底解説 ── 外資IT営業の”最初の扉”として最強な理由
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まいど!学長トミオや。
前回の記事では、Salesforceの営業組織の全体マップを紹介した。Core営業とSolution営業の2軸、EBUとCBUの違い……ざっくりとした地図は描けたと思う。まだ読んでへん人は、まずそっちを先に見てほしい。
今回はその地図の中から、CBU(Commercial Business Unit)を徹底的に掘り下げる。
なぜCBUか。
それは、日系ITに在籍している20代〜30代前半のチャレンジャーたちにとって、Salesforceへの最も現実的で、最も実りある入り口がここやからや。
仕事内容、キャリアパス、この組織に集まる人間たちのレベル感、そして年収や選考プロセスまで。エージェントとして実際にチャレンジャーたちを送り出しているワイが、現場で見てきた情報を全部ぶつける。気合入れてな。
なぜCBUが”最初の扉”なのか
まず大前提として、EBU(Enterprise Business Unit)への直接転職は不可能ではない。
ただし、それは経験年数や「何を・誰に・どのように売ってきたか」に強く依存する。大手法人向けの複雑なソリューション営業を5年以上やってきて、大型案件のクロージング実績がある……そういう人なら、EBUの門を直接叩くことは十分にあり得る。
けどな、20代で挑戦するとなると、話は変わってくる。
20代でそこまでの経験と実績を積み上げている人は、正直そう多くない。そして仮にスキルが追いついていたとしても、EBUが求める「大手顧客との長期的なリレーション構築力」は、経験年数が短いと証明しにくい。
そこで登場するのがCBUや。
CBUの応募要件は、法人営業経験3年以上。IT業界未経験でも応募可能とされている。実際にワイのところにも「日系SaaS3年目」「SIer4年目」くらいのチャレンジャーが数多く相談に来るけど、彼らにとってCBUはまさにスイートスポットや。
ただし、勘違いしてほしくないのは「門戸が広い=誰でも入れる」ではないということ。これはあとで詳しく話すけど、Salesforceは甘い場所ではない。「門戸が広い」というのは、経験年数やバックグラウンドの幅が広いという意味であって、入社のハードルが低いという意味ではない。ここだけは最初に釘を刺しておく。
CBUのセグメント構造
CBUの中も一枚岩ではない。担当する顧客企業の規模によって、さらにセグメントが分かれている。
SB(Small Business) 文字通り、小規模企業を担当するセグメント。数十名規模のお客さんがメインのターゲットになる。CBUの中でも最も入り口に近いポジションで、ここから多くの営業がキャリアをスタートさせる。リクルートなどの非IT業界から転職してくる場合は、まずこのSBからのスタートになる。
GRB(Growth Business) SBの上のレイヤー。数百名規模のお客さんを担当する。SBで場数を踏んだ営業がステップアップしてくるケースが多いが、それだけやない。IT営業の経験がある人が中途入社する場合、最初からGRBに配属されるケースもある。つまり、前職での経験値次第では、SBを飛ばしてGRBからスタートできるということや。顧客の規模が大きくなる分、提案の複雑性も上がってくる。
CBUのセグメントは、基本的にこの2つや。SBで数を回して場数を踏み、GRBで提案の幅を広げていく。この段階的な成長設計がCBUの魅力や。
そしてGRBのさらに上、Mid-MarketやGB(General Business)はEBU側の組織になる。つまり、CBUで実績を出した営業がEBUのMid-MarketやGBに上がっていく、という構造や。CBUとEBUの境界を越えてキャリアアップしていくイメージやな。この話はキャリアパスのセクションで詳しく触れる。

なお、ここで書いた各セグメントの顧客規模はあくまでエージェントとしてのワイの所感であり、正確な数字はSalesforceの公式見解ではない。年度によって組織変更もあるから、「おおよそのイメージ」として受け取ってほしい。
CBU AEの仕事内容 ── 何をしているのか
CBUのAE(Account Executive)は、アカウントオーナーや。
担当するテリトリー(エリアや顧客群)が割り当てられ、そこに対して新規開拓も既存深耕も、すべて自分が責任を持つ。マーケティング部門、BDR(Business Development Representative)、チャネルセールス、パートナー企業と連携しながら、自分のテリトリーを攻略していく。
ここで特にチャレンジャーたちに強調しておきたいのが、2つの大きな特徴や。
CEOクラスが提案の相手
CBUが担当するのは中小〜中堅企業。つまり、提案の相手は経営者や役員クラスが中心になる。
中小企業への営業では、意思決定者=経営者であることが多い。大手企業への営業だと、まず現場の担当者や情報システム部門と話して、そこから部長、本部長……と段階を踏んでいくのが一般的や。けどCBUでは、最初から意思決定者と直接対峙する。
経営者が何を考えていて、何に困っていて、何に投資したいと思っているか。それを直接ヒアリングして、ソリューションを提案する。このスキルは、将来どこに行っても通用する最強の武器になる。これはSalesforceの人たち自身も、CBUの最大のアピールポイントとして語っていることや。
数をこなして場数を踏める
もう一つの大きな特徴が、商談サイクルが短いこと。
エンタープライズの営業だと、1つの案件に6ヶ月〜1年以上かかることもザラや。その間にクロージングできる案件は年に数件。けどCBUでは、決裁者と直接話せる分、商談の意思決定が早い。結果として、営業としてのクロージング経験を大量に積める。
新規開拓、提案、交渉、クロージング。このサイクルを短いスパンで何度も何度も回す。20代のうちにこれだけの「打席」に立てる環境は、そうそうない。
取り扱い製品はSalesforce全製品
そしてもう一つ重要なのが、CBUのAEはSalesforceの全製品を扱うということ。
Sales Cloud、Service Cloud、Slack、Tableau、Data Cloud、Agentforce……。前回の全体マップ記事で説明したように、SalesforceはもはやSales Cloudだけの会社ではない。その膨大な製品群を、アカウントオーナーとして横断的に提案するのがCBU AEの仕事や。
実はワイの会社(チャレンジャーベース)も、Salesforceのお客さんや。もともとCBU(SB)の営業からアプローチを受けて、今ではSales Cloud、Account Engagement、Tableau、Slack、Agentforce、Conversation Insightsと、6つの製品を導入している。10人に満たない会社に年間数百万円を支払わせている。こんな芸当ができるのは、製品の幅が広いSalesforceならではや。
その動画がこちら。ワイの会社がSalesforceにどうアプローチされ、何を導入しているかがわかる。CBU AEの仕事のイメージを掴むのに、ぜひ見てほしい。
▶ 動画リンク:https://www.youtube.com/watch?v=mLWFydTmNdk
ちなみにこの動画に登場する、弊社を担当してくれた営業。彼は当時SBの担当AEとしてワイたちにアプローチしてきた。その後GRBを経て、今ではEBUのMid-Market AEに昇進して活躍している。CBUで実績を出し、EBUへとステップアップした実例や。次のセクションで、このキャリアパスについて詳しく見ていく。
キャリアパス ── CBUからEBUへの道
CBUからのキャリアアップには、明確なルートがある。さっきのセグメント構造図をもう一度見てほしい。
CBU(SB → GRB) → EBU(Mid-Market → GB → Enterprise AE)
まずCBUの中でSBからGRBへステップアップし、そこで実績を出せば、EBU側のMid-MarketやGBへ昇進する。つまり、CBUからEBUへの組織の壁を越えていくわけや。さらにその先にはEnterprise AEという、Salesforceの営業組織の頂点が待っている。
さっき紹介した弊社の担当営業も、まさにこのルートを歩んでいる。SBでワイたちにアプローチしてきた人間が、GRBを経て、今ではEBUのMid-Market AEに昇進して活躍している。CBUからEBUへ、組織をまたいでのステップアップを実現した実例や。
Salesforceは半年ごとに異動の機会がある。これは外資ITの中でもかなり頻繁な方や。実績を出せば次のステップへの道が開けるし、逆に特定のセグメントで経験を深めるという選択もできる。キャリアの柔軟性が高いのも、この組織の魅力の一つや。
そして何より重要なのが、「Salesforce CBU出身」という肩書きの市場価値。
ワイはエージェントとして日々、外資IT各社の採用担当と話をしている。その中でSalesforceの営業出身者の評価は非常に高い。特にCBUで数を回してクロージング経験を積んだ人間は、「営業としての基本動作ができている」「数字への執着がある」「経営層への提案経験がある」という点で、どの外資ITに行っても即戦力として評価される。
つまりCBUは、Salesforceの中でEBUへ上がっていくキャリアパスだけでなく、外の世界に出たときの選択肢も一気に広げてくれる場所なんや。
CBUのリーダー ── 小川潤一さんとDreamforceで会ってきた
ここからは少し、ワイ自身の話をさせてもらう。
2024年10月、サンフランシスコで開催されたSalesforce最大のイベント「Dreamforce」に参加してきた。8年以上ぶりの渡米で、Salesforceとのエージェント契約締結後初めての現地訪問やった。その詳しい話は別の記事に書いてあるから、興味がある人はそっちも読んでほしい。
▶ 【時差投稿】10月のUS出張レポート:8年以上のブランクを経て!「Dreamforce」の熱狂を浴びてきたで!
今回話したいのは、そのDreamforceでCBUのキーマンたちと直接会ってきた話や。
小川潤一さん。SalesforceのCBUにおいて、SBユニットを統括するリーダーや。
小川さんのキャリアが面白い。もともとFA機器の営業でキャリアをスタートして、2010年にSalesforceに入社。そこから東日本、大阪と、中小企業からエンタープライズ企業まで幅広い顧客を担当してきた。現在は執行役員として、CBUのSB統括本部を率いている。
Dreamforceでは、当時ウチがAgentforceの購入を検討していたこともあって、現地でご挨拶を兼ねてお会いすることになった。小川さんだけでなく、CBUのマネージャー陣とも一緒に話す機会をもらえた。
▲ Dreamforce会場(Moscone Center)前で、小川さん&CBUマネージャー陣と。
印象的やったのは、小川さんの面倒見の良さや。ワイが送り出しているチャレンジャーたちの話にもなって、「(最終的に他社を選んじゃったけど)彼に来てほしかったよね」という会話が自然に出てくる。組織の長でありながら、一人ひとりの候補者のことをちゃんと気にかけてくれている。
これはエージェントとして、すごく安心できるポイントや。採用って、入ったらおしまいじゃない。入った後にその人がちゃんと活躍できる環境があるかどうかが本当に大事なんや。小川さんのようなリーダーがいるCBUは、その点でワイも自信を持ってチャレンジャーたちを送り出せる。
CBUはどういう場所か ── 凄いやつらが集まる修行の場
ここまでCBUの仕事内容やキャリアパス、そしてリーダーの話をしてきた。
けどな、一番大事なのはスペックの話やない。
ワイが一番伝えたいのは、Salesforceという場所に、どういう人間が集まっているかや。
はっきり言う。SalesforceのCBUには、腕に覚えのあるソフトウェア営業が、自分の力を試すために挑戦しに来ている。 実績もマインドも超一流の凄いやつらが揃っていて、彼らが猛烈に働いて結果を出し、さらに上を目指していく。それがSalesforce、特にCBUという組織や。
日系SaaSで「エース」と呼ばれていた人間が、CBUに入ったら周りも全員エースやった。そういう世界や。
生半可な気持ちで来ると、本当につらい。ついていけない。ノルマは甘くないし、周りのレベルは高いし、毎クォーター数字で評価される。 口コミサイトを見ても「目標達成プレッシャーが強い」「100%達成者の割合は高くない」という声がある。それは事実やと思う。
けどな。
「凄い場所で、凄いやつらと一緒に、お客さんの成功のために本気で頑張りたい」
そう思える人間にとっては、20代を本気で磨き込むための自己投資の場として、これ以上の環境はない。 世界最大のCRM企業で、CEOクラスに提案し、圧倒的な場数を踏み、超一流の同僚たちと切磋琢磨する。ここで2〜3年やり切った人間のキャリアは、間違いなく加速する。
スペックの話ではなく、マインドの話や。「そう思えるかどうか」が、一番大事なことやとワイは思ってる。
どんな人がはまるのか ── 前職パターン別のリアル
エージェントとして多くのチャレンジャーを見てきた中で、前職のパターン別に相性を整理しておく。
最もはまりやすいのは、日系SaaSのフィールドセールスで顕著な結果を出してきた人。ソフトウェア営業の基本動作ができていて、かつ数字で証明できる実績がある。このパターンは即戦力として非常に高く評価される。
SIerの営業出身も実績がある。実際にCBUで活躍しているチャレンジャーの中にも、SIer出身者はいる。法人営業の基礎体力がある人が多いのが強みや。
一方で、リクルートなどの無形商材営業出身者は、在籍はしているもののキャッチアップが非常に大変やという印象がある。営業としてのガッツはあっても、ソフトウェア営業の経験がないと、製品理解や提案の型を身につけるのに時間がかかる。
そしてインサイドセールス(IS)から直接SalesforceのAEに転職するパターンは、はっきり言って無理や。ISとAEでは求められるスキルセットがまるで違う。アカウントを持って、提案して、クロージングするという一連の営業プロセスを自分で回した経験がない人間を、SalesforceがAEとして採る理由がない。まずはどこかでソフトウェアのフィールドセールスを経験して、実績を作ってから挑戦してほしい。
結論としては、「できればどこかでIT/ソフトウェアの営業経験を積んでから来い」というのが、エージェントとしてのワイの率直なスタンスや。
それでも、実際にチャレンジャーたちがどんどこ入社して活躍している部門であることは間違いない。正しい準備をして、正しいマインドで臨めば、道は確実に開ける。
ここから先は会員限定や
ここまでの内容で、CBUという組織の全体像はつかめたと思う。
ここから先では、チャレンジャーたちが実際に転職活動を進めるにあたって、もう一歩踏み込んだ情報を書いていく。具体的には以下の内容や。
- 年収・OTE: CBUのAEはどのくらい稼げるのか。SB/GRBの具体的なOTE水準と、入社時の年収レンジ
- 面接・採用プロセス: 選考は何回あるのか、英語は必要か、プレゼン課題の有無、書類で何を見られているか
いずれもエージェントとして現場で得ている情報をベースに書いているので、ぜひ会員登録して読んでほしい。まだ会員でない方は、入学申請(無料)からどうぞ。
年収・OTEについて
チャレンジャーたちが一番気になるのは、やっぱりここやろ。
Salesforceの営業職はOTE(On Target Earnings)という報酬制度を採用している。これは「目標を100%達成した場合の想定年収」のこと。基本給+インセンティブで構成されていて、そのペイミックス(基本給とインセンティブの比率)は60:40が基本や。つまり、OTEが1,000万円なら基本給が600万円、目標達成時のインセンティブが400万円というイメージやな。達成率が上がればインセンティブも上がるし、しかも青天井や。
で、肝心のCBUのOTE水準やけど、SBやGRBのレベルで、1,000万円前後というのがエージェントとしてのワイの所感や。
もう少し具体的に言うと、こんなイメージ。