日系SaaS企業は外資IT転職の「就職予備校」か?
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トミオだ!寒いな!
さて、今日は日系SaaSに関するエントリーだ。
ちょっと昨今の採用抑制とレイオフがヤバすぎて、今、業界外から外資IT業界に移るのはほぼ無理ゲーになっている。一方で、日系のSaaS企業はグイグイ伸びててガンガン採用しているところがたくさんある。
今日は、外資IT企業と日系IT企業の両方をクライアントとして持つチャレンジャーベース代表トミオの立場から、「日系SaaS企業に入るってどうなの?」をまとめてみたので読んでみてほしい。
ちなみに4,000文字以上あるが、表題の質問に対する答えは「就職予備校どころか、日系SaaS自体が難関大学並みやで」である。
「外資IT転職」というバズワード
Why “外資IT”?
ここ1−2年で、外資IT業界に興味を持つ人がすごく増えたなと感じる。この業界の未来を信じる僕にとってはとても嬉しいことだ。弊社チャレンジャーベースは『外資IT転職に強い人材紹介会社』なので、「外資IT企業に転職したいです」というチャレンジャーが日々、相談にやってくる。
僕はチャレンジャーたちに質問を投げかける。「どうして外資IT業界に転職したいんですか?」「自分なら外資でやっていけるという自信はありますか?」
質問への回答次第では、「おすすめしません」と伝えることがある。外資IT業界は働く環境として万能ではなく、万人に勧められるようなものではないからだ。
誰でも大金を稼げる夢の仕事、ではない
「どうせ同じ時間を労働力として投資するなら、なるべく多くのカネを稼げたほうがいい」
この考え方に反対する人間はそうはいないだろう。
だが、「クビになるリスク」「常に付きまとう数字へのプレッシャー」「パワハラすれすれのマネジメント」これがセットでついてきますと言われたときに、君は「待ってました!」と言えるだろうか?
目指すゴールはどこか?そのための犠牲を受け入れる覚悟があるか?
ソフトウェア営業にとって、外資IT業界で働くというのは「メジャーリーグベースボールの打席に立つ」ようなものだ。(ちなみに僕はまったく野球に詳しくないので雰囲気で語っている)
各国からスター選手が集まった夢の舞台。外資勤めでなくては得られないような、高額の報酬を手にできる可能性。成果に対して責任を負うが、そこに到達するための時間の使い方はうるさく言われない。
一方で、結果が出なかったときの逆回転は凄まじい。「おまえ、自分の給料いくらかわかってんのか?」このフレーズ、たぶんパワハラなんだけど実際に外資IT各社で飛び交っている。僕も何度も聞いている。成果にコミットして、何がなんでも結果を出してこの業界で生き抜く覚悟があるか?
日系SaaS企業から外資IT企業に転職したチャレンジャーたち
日系SaaS→外資ITの転職は、できまぁす
できる。間違いなくできる。しかも、日系SaaSでアカウント営業をやっていた人間なら、SDR(Sales Development Representative)じゃなくてアカウント営業(AE: Account Executive)として転職することができる。これは、弊社がサポートした先輩チャレンジャーたちの実績により証明されている。
「日系SaaS企業における成功が、外資IT企業においても再現性のあるものだ」と企業から判断されているということだ。
その意味で、日系SaaS企業における経験は、彼らが次のステップとして外資IT業界に踏み出すために意味があったと言えるだろう。
つまり、日系SaaS企業に入社したら外資に転職できるってこと?
待て待て。そうは言っていない。
まず、「エンタープライズソフトウェア」というビジネスについて理解していることは有効だ。「SaaS」を売ったことがある経験も、当然あったほうがいいだろう。
でも、それだけでは足りないのだ。全然、足りない。
転職成功者は、全員がトップパフォーマーだった
これは残酷な事実だが、この一年、AEとして外資IT業界入りしていった先輩たちは、全員が、元いた日系SaaS企業で圧倒的な成果を出していた。
外資IT企業は「成果を出せる人間が欲しい」のであって、単に「SaaS販売経験のある人間が欲しい」わけではないのだ。
転職を成功させたチャレンジャーたちは「外資に転職したいから日系SaaS企業に就職した」のではなく「日系SaaS企業で圧倒的な実績を上げられたから、さらなる高みを目指して外資に挑戦したくなった」のだ。
「日系SaaS転職」という選択肢について
転職予備校なんてとんでもない、日系SaaSはプロ野球だ
「本当は外資IT企業に入社したいけど、とりあえず難易度の低い日系SaaSに転職するか」と思っている人がいたら、今すぐ考えを改めたほうがいい。外資と日系、両方の転職サポートをしている弊社だから言えることだが、正直、外資IT企業よりも日系SaaSのほうが採用時の倍率は高い。
日系SaaSは外資と比べて英語力による足切りがない。また、ある意味クローズドな環境でちょっと特殊な方法でないとアクセスできない外資IT企業に比べ、求人メディア、エージェントなど広く門戸を開いている。結果として、一つの求人に集まる応募の数が外資よりずっと多い。
なので、簡単に書類で落ちる。面接だって大変だ。そして入社した先に待っているのは、その選考を潜り抜けて入社した猛者たちだ。その中で「抜きん出てトップパフォーマーになる」ということの難しさが想像できるだろうか?
日系SaaSは草野球ではない。法人向け営業業界のプロ野球だ。
(なお、トミオは野球のことはよくわからない)
「日系SaaS営業」に辿り着くために必要なスペック
実績一本で突っ切れる外資IT企業に比べ、日系SaaS企業は書類審査を通過をするために割とスペックを重視する傾向がある。営業として応募するなら、以下の3つが揃っているとかなり強い。
- 法人営業経験(インサイドセールス、フィールドセールスだと2年以上が望ましい)
- 無形商材の販売経験(有形商材だと「モノ売りしかできないのではないか」と不安を持たれる)
- 一定以上の学歴(大学のレベルで学歴フィルター的なものがある企業もある)
必ずしもこれを全部持っている必要はないが、最近内定を取った人たちはやはり兼ね備えている人が多い。少なくとも、楽な関門ではないよということを肝に銘じておいてもらいたい。
カルチャー的には、外資よりだいぶ協調的
弊社チャレンジャーベースは10社以上の日系SaaS企業と取引があるが、「パワハラがヤバイ」という話はまだ一度も聞いたことがない。(つまり外資は…)
シビアに結果を追求する外資ITに対して、もっと仲間として一緒にやっていこうというカルチャーのところが多いようだ。心を病む社員の割合も、きっと少ないんじゃないかと思う。そういう意味で、「いきなり外資は不安だけど」という人が法人向けソフトウェアビジネスの第一歩として始めるには良い環境なことが多いのではないかと思う。
上にも書いたが、誰しもが外資を目指す必要はない。IPOを目指して日系SaaSで仲間と取り組むのは、君の人生にとって素晴らしい経験になるだろう。
君が今すべきこと
「エンタープライズソフトウェア営業」という現代の下剋上スキル
「法人向けにソフトウェアを売る」スキルは、食いっぱぐれのないスキルだ。日本から企業がなくなることはないし、企業のIT活用が減るということも考えづらい。
ソフトウェアという「形のない、だが複雑なもの」を扱い、複雑な組織に対して、複雑なプロセスをマネジメントして購入まで導く。テクノロジーとアートの集大成だ。
そして、この「エンタープライズソフトウェア営業」が上手いと、上にも書いた通り仕事に困らない。飛び抜けて上手いと、数千万円、場合によっては億の年収に到達できるかもしれないというアップサイドもある。
「どう組織に貢献できるか」にフォーカス
だが、それは遙かな道だ。これからその入り口に立とうとしている君が今すべきことは何だろうか?
とにかく、目の前の仕事に真剣に取り組むこと、実力をつけること、そして組織に貢献できることを証明すること。つまらない話ではあるが、これしかない。
人に誇れるような実績を作るのだ。日系SaaS企業が門を開けてくれたら、その中で認めてもらえる働きができるように努力するのだ。その繰り返しの先に、外資IT業界への挑戦が待っていてくれるかもしれないし、それだけ会社に貢献した人間であれば、仲間たちもきっと君の次の挑戦を応援してくれるだろう。
まずはZoomでの外資IT転職相談(ただし最近は日系SaaS推し)へ
さて、そんなわけで、チャレンジャーベースでは「我こそは」という挑戦者からの相談をお待ちしている。エンタープライズソフトウェアの業界でキャリアを始めることに興味を持っている人。そこで名を上げてのし上がってやるという人。今日から君もチャレンジャーだ。
以下の方法で連絡をしてくれ。今のところ、希望があった場合は100%、45分のZoom面談を実施している。
1. トミオにコンタクトする
以下のどれか、都合の良い方法でコンタクトしてくれ。
- LinkedIn DM
- Twitter DM
- Eメール(kichikawa@challengerbase.co.jp)
トミオへの連絡時に知らせてもらいたいことは以下3点だ。
- 本名フルネーム
- 現在している仕事(簡単で構わない)
- 新しい会社で働き始めたい時期(緊急の場合は特別対応を検討する)
2. トミオからの返信を待って日程調整する
トミオは、連絡をもらって24時間以内に空きスケジュールの情報とともに返信する。都合のつくところを選んでもらえたらと思う。24時間経っても返信がない場合、単に見落としている可能性が高いので「返事がねえぞコノヤロウ」とリマインドしてもらえるとありがたい。
3. 事前ヒアリングシートに回答し当日を待つ
日程が決まったら、トミオから事前ヒアリングシートのURLが共有されるのでなるべくすぐに記入をお願いしたい。このシートに書いてもらったことをベースに当日の流れを決めるので、全員に記入をお願いしている。
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それでは、今日も素敵な一日を。
#みんなおいでよ外資IT