New RelicのSDRに会ってきた ── チームで攻める、という外資の形
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学長トミオ
こないだ企業研究でNew Relicを取り上げたんやけど、書いてるうちにワイ、むずむずしてきてな。「会社のことはだいぶ分かった。ほな、中で働いてる人らは、実際どんな感じなんやろ?」って。ワイ自身、2011年にインサイドセールスから始めた人間やけど、今どきのSDRがチームで動く現場の手触りは、正直この目で見てみたかったんよ。
そしたらタイミングよく、SDR Managerの前さん・上田さんと、Marketingの佐藤さんから「うちのSDR、見に来ませんか?」と声をかけてもろてな。先に言うとくけど、外資は甘ないで。数字はシビアやし、立ち上がりもしんどい。それでも飛び込む価値があるんか——日系から外資にチャレンジしたい人がいちばん知りたいその一点を、現場の二人に確かめてきた。
取材をまとめてくれたのは、ウチの取材担当・諏訪や。こいつの記事は初めての人も多いと思うけど、ええ書き手やから安心してな。ほな、どうぞ。
諏訪Challengers Academy 取材担当
はじめまして、取材担当の諏訪と申します。現場に足を運んで、そこで働く人の生の声と空気を持ち帰るのが役回りです。今回は学長トミオと一緒にNew Relicのオフィスにお邪魔しました。以下、取材で見えてきたことをお伝えします。
諏訪が訪ねたのは、東京ミッドタウン八重洲にあるNew Relicのオフィス。黄色とネイビーの山並みが描かれた壁が印象的な、明るい空間でした。

迎えてくれたのは、SDR(Sales Development Representative=インサイドセールス)として働くお二人です。結論から言うと、この取材で諏訪が見たのは、「外資SDR=一匹狼で数字を競う孤独な仕事」という、よくあるイメージとはずいぶん違う景色でした。順を追ってお伝えします。
まず、経歴もライフステージも違う2人
滝澤さんは、New Relicが3社目です。1社目は信販会社で約7年、金融の世界にいました。2社目はSansanでSDRを2年。そしてNew Relicに移って、取材時点で11ヶ月ほど。担当は、SaaSやSIer、いわゆるデジタルネイティブな、New Relicと親和性の高い企業層です。New Relicが、初めての外資だといいます。

もう一人が、安田さん。こちらはキャリアの形がかなり違います。新卒で介護・医療系のソフトウェアの会社に入り、アポ打診から受注、一部アフターサービス領域まで経験。その後リクルートへ転職するも、離職。専業主婦期間を挟み、そこから多言語化サービスのWovn Technologiesでインサイドセールスという職種に出会いました。前の会社にパートで入ったのが始まりです。New Relicに移って3年半ほどで、いまは製造業や金融といった、古くからの大企業を担当しています。子育てをしながらの勤務です。

経歴もライフステージもまったく違う2人が、同じSDRというロールで働いている。この時点ですでに、諏訪の持っていた「外資SDR」のイメージは少し揺らぎ始めていました。
「個人商店」だと思っていたら、真逆だった
外資の営業というと、どんなイメージがあるでしょうか。一匹狼が数字を競い合う、ドライな個人商店——諏訪も、漠然とそんな像を持っていました。安田さんも、入る前は同じだったそうです。
「外資って、もっと個人商店みたいなイメージだったんです。でも入ってみたら、真逆でした」。安田さんはそう振り返ります。New Relicは、採用前から「ウェットな外資だ」と聞いていたそうですが、入ってみてそれを実感したと言います。「人と人とのつながりをすごく大事にする。利他的で、協力的なんです」。
滝澤さんも、同僚の質の高さと、助け合う空気を挙げます。「みなさん本当に能力が高くて、自走できる方ばかり。それでいて、シニアの方が新人を気にかけてくれる」。フルリモート中心の働き方ゆえに、最初は「分からないことをすぐ聞けない」難しさも感じたといいますが、入社時にはマネージャーがつき、安田さんをはじめ周囲が声をかけてくれた。「質問しにくい、ということはなかったですね」。
では、なぜ「ドライな個人商店」ではなく、こうした空気が生まれているのか。話を聞いていくと、2つの理由が見えてきました。
理由①:細かく管理せず、裁量に委ねる
一つは、任され方です。お二人とも、日系企業からの転職組。前の環境と何が違ったかを尋ねると、滝澤さんはこう振り返ります。「日系にいた頃は、行動の一つひとつを細かく見られる環境でした。リストを上から当たって、進捗を逐一報告して、という働き方ですね」。それがNew Relicでは、「成果を出すことは大前提ですが、そのための動き方は、かなり個人の裁量に任せてもらえる」と言います。
誤解してほしくないのは、これは「日系がダメで外資がいい」という話ではない、ということです。滝澤さん自身、前の環境で培ったものがあるからこそ、いまの裁量を活かせている。ただ、任され方の質が違う。そして、その「自分で考えて動く」スタイルが、滝澤さんには合っていたようです。
安田さんも近い実感を語ります。「動いた分、巻き込んだ分だけ、何かが返ってくる。だから、どんどん首を突っ込んでいく。そういうのが自分の性に合っていました」。やればやるだけ評価や報酬に返ってくる仕組みは、彼女にとって心地よかったといいます。
理由②:SDRを大切にする文化が、根づいている
もう一つが、カルチャーのルーツです。New Relic日本法人を立ち上げから率いてきた小西氏ら経営層が、SDRを大切にする文化をつくった。それが現在のリーダー層にも受け継がれている、と安田さんは話します。「マネージャーや経営層のみなさんが、『AEはSDRに感謝しろ』と本気で言ってくれる。だからAEとも対等にやらせてもらえる環境があるんです」。
裁量に委ねる任され方と、SDRを一段下に見ない文化。この2つが土台にあるからこそ、次の「チームで攻める」という働き方が成り立っている——諏訪には、そう見えました。
だから、「下請け」ではない ── チームでアカウントを攻める
ここが、今回の取材で諏訪がもっとも印象に残った点です。
一般に、AE(商談をクロージングする営業)とSDR(その手前で商談機会をつくる役割)の関係は、どうしても上下に見られがちです。SDRがアポを取り、AEに「渡して終わり」。滝澤さんも、前職ではそうした感覚が強かったといいます。
ところがNew Relicでは、SDRとAEがかなり対等に組んでいる。安田さんは、こう話します。
「AEの下請け、という感覚ではないんです」
「SDRからもガツガツ『こうした方がいいんじゃないですか』って提案するし、AEさんも相談してくれる。こっちも相談する。お互いさま、という感じですね」
具体的な動き方も聞きました。AEとは週次で1on1を持ち、「今週はどのアカウントを攻めるか」をすり合わせる。AEから四半期や年間のプランを共有してもらい、「それなら、まず会うべきはこの人では」とSDR側から提案する。逆にAEから「このアカウントのこの人と会いたい」と相談が来ることもある。担当の組み合わせの数だけ、進め方がある、と安田さんは言います。
SDRとAEの比率は、おおむねSDR1人にAE3人ほど。週次でプランを共有しながら、一つのチームとしてアカウントを攻めていける距離感です。
そしてSDRの主要なKPIは、アポの数そのものではなく、「渡した商談が、その先で案件化したかどうか」。つまり、ただアポを取ればいいのではなく、本当にキーになる相手に当たれているかが問われる。だからこそ、AEと目線を合わせて動く必要がある——この設計が、2人の「チームで攻める」という実感を支えているようです。

ただし、楽な場所ではない
ここまで「対等」「自走」「助け合い」と、いい面が続きました。けれど諏訪が念のため確かめたのは、その自由は何と引き換えなのか、という点です。
答えは明快で、裁量を委ねられるのは「成果を出すこと」が大前提だから。行動を細かく管理されない代わりに、結果は問われます。そして、立ち上がりは2人とも、決して楽ではなかったといいます。
安田さんは、入って最初の2年は本当に苦労したと振り返ります。子どもの送り迎えで一日のお尻が決まっているなか、朝は子どもが起きる前に仕事をし、送り出してまた仕事、帰宅して中断し、寝かしつけてまた——という時期が続いた。「ほぼ自由時間がない感じでした」。それでも2年ほどで自分なりの勘どころとリズムをつかみ、いまは朝8時から夕方6時できっちり区切れるようになった、といいます。
滝澤さんも、初めての外資、そして初めての技術系という二重の壁があった。「キャッチアップが大変で、アクションを起こす前に時間がかかっていた時期はありました」。ただ、入社時にマネージャーがつき、周囲が気にかけてくれたことで、徐々に一人で動けるようになった。
学長トミオ
ここ、大事なとこやで。ワイも外資で長いことやってきたけど、自由と裁量っちゅうのは「結果出せよ」の裏返しや。誰も手取り足取りはしてくれへん。けどな、New Relicがええのは、その立ち上がりのしんどい時期に、ちゃんと支える仕組みと空気があるってこと。突き放さへんのよ。厳しさと優しさ、両方あるのがホンマもんの外資や。
その先のキャリアは ── AEを目指すのも、SDRを極めるのも
「チームで攻める」働き方が見えてくると、次に気になるのは「この先どうなるのか」です。SDRのキャリアについて、2人の答えは対照的で、それがまた面白いところでした。
滝澤さんの根っこにあるのは、「自分でマーケットをつくりたい」という思いです。前職は、ある程度市場が出来上がった環境だった。だからこそ、まだ世の中に広がりきっていないオブザーバビリティという領域に惹かれ、New Relicに移ってきた。「これからの市場を、自分の手で広げていきたいんです」。
いまは、その思いをSDRとして形にしている最中です。担当する企業に新しい価値を届け、案件を生み出していく。その先にAEという選択肢も視野に入れつつ、「まずは目の前のことを、しっかりやりきりたい」と前を向きます。市場を切り拓いていく手応えそのものが、滝澤さんの原動力になっているようでした。
一方の安田さんは、AEではなく、SDRを究めていく道を見ています。それは消極的な選択ではありません。「やらせていただけることには、どんどんチャレンジします」と話したうえで、いまのSDRという仕事に確かな手応えを感じている様子でした。製造業や金融といった難しいテリトリーを任され、試行錯誤しながら自分なりの勝ちパターンをつくってきた。AEと対等に渡り合えるところまで、SDRとしての専門性を育ててきた自負があります。AEになることだけが「前進」ではない——そう言い切れる選択肢があることもまた、この会社の懐の深さなのかもしれません。
AEを目指すのも、SDRを究めるのも、どちらも等しく認められている。2人の対照的な答えは、その証のように聞こえました。滝澤さんが「まずSDRで数字をやりきってから」と語ったように、SDRを経てAEへ進めば、製品も社内のことも分かった状態でフロントに立てる。準備のできた状態で次のステージに行けるのは、外資のキャリアにおける一つの強みなのかもしれません。
AIは、どこまで使う? ── 2人の線引きと、変わらない一つの構え
SDRの仕事は、AIの影響を大きく受ける領域です。実際のところ、現場の2人はどう使っているのか。ここは諏訪も率直に聞いてみました。
滝澤さんは、かなり実務的に使い分けていました。企業分析、商談履歴の整理、議事録のまとめ——このあたりはAIに任せる。Slackに溜まったやり取りを全部コピペして要約させる、といった使い方も日常的だといいます。メールも、骨子は壁打ちする。大量に送るマス向けのメールは、AIに作らせて一読して直す程度。そこは割り切っていると言います。
一方で、安田さんはメール作成にAIをあまり使わないと言います。理由を聞くと、ツールの良し悪しというより、本人のこだわりの話でした。「一斉送信のメールならいいんですが、私たちは『この人と、こういう話がしたい』と考えて本文を書くので」。AIに任せると、どうしても主語が「New Relicとは」という説明寄りになってしまう。けれど自分が届けたいのは、「あなたのこの記事の、この言葉を見て、こう考えたから話したいんです」という、相手起点の一通。「そこは自分で書かないと、と思っています」。安田さん自身、「使いこなせていないだけかもしれませんが」と笑っていましたが、諏訪にはむしろ、その線引きの理由が印象に残りました。
使う範囲は、2人で違います。けれど共通していたのは、「最後に届くものは、自分の言葉になっているか」を手放さない、という構えでした。滝澤さんも、本当に届けたい相手へのメールは「自分の口で説明できる状態まで落とし込んでから送る」と言います。道具としてのAIはどんどん使う。けれど、自分の口で説明できない言葉は使わない——2人の線引きは、そこで一致していました。
英語に、身構えなくていい
外資と聞いて、多くの人がまず心配するのが英語でしょう。でも、その点はあまり身構えなくていいようです。日常の業務は、ほとんど日本語。「海外チームとのやり取りもSlackで、月に1〜2回あるかどうかですね」と滝澤さん。実際、お二人とも「英語が得意だから外資に来た」わけではありません。英語に自信がなくても、まず飛び込んで、現場で戦うことはできる。ここは、はっきりお伝えしておきたい点です。
そのうえで、英語は「世界とつながる扉」にもなります。グローバルの事例を知りたいとき、海外のAEに直接聞きにいける。そして年に一度、1月にはアメリカでセールスキックオフがあり、直近はアトランタに世界中のメンバーが集まったそうです。使わずに済ませることもできるし、使えば世界が広がる。英語は、入口に立つための条件ではなく、その先の可能性を広げてくれる武器——そんな立ち位置のようでした。
そして、こんな人に向いている
最後に、これから入る人へのメッセージを聞きました。
安田さんが挙げたのは「責任感」です。「裁量に任される分、やるもやらないも自分次第。今月はこれくらい、今週はこれくらい、と自分との約束を決めて、それを守れる人がいいと思います」。急に子どもが熱を出すような日もある。でも、崩れた分をどこでリカバリーするかを自分で組み立てられれば、週単位で見れば帳尻は合う。そうやって自分の型をつくれる人なら、子育てとの両立も十分にできる、というのが、苦労を越えてきた本人の実感です。
滝澤さんは、外資未経験者へのエールを口にしました。「自分も初めての外資でしたが、いまは一人でやれています。サポートの体制はあるので、怖がらずに来てほしい」。そして、こんな人と働きたい、という像も。「『シェイク・ザ・マーケット』——市場を揺さぶる、という言葉が社内にあって。まだ顕在化していないニーズを掘り起こして、市場そのものをつくっていく。オブザーバビリティは、まさにいまそのフェーズ。そういうのを楽しめる人には、すごくいい環境だと思います」。
学長トミオ
どうやった? ワイがいちばん「ええな」と思たんは、SDRがちゃんと尊重されてるってとこやね。AEの下請けやなくて、対等に、一つのチームでアカウントを攻めていく。そのうえで、AEにチャレンジする道も、SDRを極める道も、どっちも認められてる。日系から外資にチャレンジしてみたい人にとって、これはめちゃくちゃ心強いんちゃうかな。
そうそう、この日はカントリーマネージャーの古舘さんにもご挨拶させてもろたんやけど、これがまあ、めちゃくちゃ和やかな方でな。フラットでフランク、ほんまに仲のええ組織なんやなって、空気で伝わってきた。
その古舘さんが、チャレンジを考えてる人にこんな言葉を残してくれたんよ。
「外資の営業というのは、大変な部分も確かにあります。でも、成長機会がものすごくある。自分で選択肢をたくさん持てて、成長の階段を自分で設定できる。だから、自分の人生を自分でデザインしていきたい人には、最高の場所だと思うんですよね」
「私もまだ就任して2ヶ月ですが、社内の皆さんが自分の能力を伸び伸びと発揮しているのが、本当に良いところだと思っています。この2人も、本当に頼りになり、周りから信頼されている。会社を引っ張ってくれている存在です」
── New Relic株式会社 執行役員 日本事業統括責任者 古舘 正清 氏

学長トミオ
「外資は楽やない。けど、チャレンジした人にはちゃんと返ってくる」。古舘さんの言葉と、現場のお二人の話は、きれいに地続きやった。外資SDRって、こういう場所なんや。ちょっとでも気になったら、まずは気軽に話を聞かせてな。
最後に。今回の取材の機会をつくってくださったSDR Managerの前さん、上田さん、そして何から何まで調整いただいたMarketingの佐藤さんに、心より感謝します。おかげで、ええ取材ができました。ほんまにありがとうございました。
Happy Selling!

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